SuperGT/ルマン24
レーシングドライバー

レーシングドライバー伊藤大輔オフィシャルサイト

コラム 伊藤大輔「復活への道」

vol.04:生きてて良かった

8月15日、退院。家に帰れるのはすごく嬉しいけど、皆が言ってくれる「退院おめでとう!」といっためでたい感じは僕に無い。普通に日常生活が送れるようになったのは確かに喜ばしい。しかし、僕にとってはレースに復帰して良い結果を出すまでは本当の喜びとは言えない。この日は暑くて大量の荷物を家に運び入れるだけで汗だくになった。部屋に入ってきれいに掃除されている部屋のソファーに座りホッと一息。でもなんか変な感じ。入院していた5週間は夢だったような気がするし、できればその5週間世の中が進んでいてほしくないと思った。それにしても病院生活に慣れたせいかテレビのスイッチを付けた瞬間、画面の大きさとデジタル放送のきれいさにビックリした。病院のテレビは小さいからね。あと家の中の細かいことを忘れている。リモコンの使い方とか……。入院生活長かったせいかな。この日は留守にしていた分の郵便物や資料の整理に追われてしまったけど、家庭料理も堪能できたし子供と遊べてすごく嬉しかった。子供の無邪気な笑顔を見て、本当に生きてて良かったと思った。


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