SuperGT/ルマン24
レーシングドライバー

レーシングドライバー伊藤大輔オフィシャルサイト

コラム 伊藤大輔「復活への道」

vol.01:気づいたら……

気づいたら病院のベッドにいた。そこが何処かも解らないし、手足はベッドの柵に縛られている(頭を動かさないよう起きあがれなくするため)。寝返りをうてないのがイヤでとにかく暴れたり叫んだりしたことを覚えている。僕が力ずくで何回も手足のベルトを外すから、最後には指先を使えないように手袋までされた。朝になって足のベルトが外されているのを見て、看護師さんが「すごい力!」って驚いてたな(笑)。今思うと、看護師さんや他の病室の方には迷惑をかけました。ごめんなさい……。それらの記憶は事故から12時間以上経ってからのこと。事故でケガをして病院にいる事を把握したのは、妻が朝話してくれた時。


こんな感じで入院生活が始まった。よくテレビで事故や病気で生活が一転した家族の話が放送されたりするけど、まさにそれ。「まさか自分が」といった感じ。レースもできなければ車を運転することもできない。そして何もできなくなった僕の介抱で家族の生活リズムまであっという間に変わった。事故直後家族に入った一報は「意識不明の重体」ですから……。

→vol.02


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