SuperGT/ルマン24
レーシングドライバー

レーシングドライバー伊藤大輔オフィシャルサイト

ROAD to LEMANS「大輔のルマン参戦記」

vol.7:S102の実力

仮にプジョー、アウディが我々と同じエンジンを使用していたなら、間違いなく予選で我々はポール争いをしていたし、アウディの前に並んでいただろう。もちろんこの世界に「タラレバ」は禁物。ただ実際彼らと同じサーキットを走り、並んでコーナーを駆け抜けた時の印象は、ルマン24時間のレギュレーションによるディーゼルエンジンとガソリンエンジンの差が恐ろしく大きいということ。ガソリンエンジンに対し200馬力近くパワーの大きいディーゼルエンジン勢の低速コーナーからの加速は、GT500とGT300の加速差以上だった。又、サルテサーキットは約2kmの長いストレート区間を小さなコーナーでつないでいるため、その区間で約1秒は違う。

では、その約1秒差が出てしまう区間がいくつあるかというと5つ。ユノディエールストレートの第1シケイン〜第2シケイン。第2シケイン〜ミュルサンヌ。ミュルサンヌ〜インディアナポリス。アルナージュ〜ポルシェコーナー。それと1コーナー出口では約0.5秒。ポルシェコーナーからのハイスピード区間やユノディエール前半区間でも差は出るので一応約0.5秒としておこう。これらを合計すると単純にエンジンのパワー差で出来ているタイム差は6秒。これだけではない。彼らはS102のようにストレートスピードを稼ぐためにダウンフォースを削る必要がない。エンジンパワーが補ってくれるからである。そのためS102に対して、見るからに大きいリヤウイングを使用しており、このダウンフォースを利用してコーナーまでも速く走ることができている。これをタイム換算するのは非常に難しいがおそらく1秒〜2秒はあるだろう。ただレギュレーションでディーゼルエンジン車はガソリンエンジン車に対し25kg車輌重量が重く設定してあるためー0.5秒〜ー1秒としておこう。

長くなったけど、要するに現在のレギュレーションでは基から約7秒の差ができているということを言いたく、その結果今回の予選は「まずまず」という表現をしてみた。もちろん、レースになれば彼らの経験からくるレース運びの上手さに太刀打ちできなかったかもしれないが、ヨーロッパの大メーカー相手に4月にシェイクダウンしたばかりのマシンがこのタイムを出せたというのは、ある意味すごい事だと思うし、S102の速さがレギュレーションの差によって目立たなかったことが非常に悔しい。


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