SuperGT/ルマン24
レーシングドライバー

レーシングドライバー伊藤大輔オフィシャルサイト

ROAD to LEMANS「大輔のルマン参戦記」

vol.10:3スティント目の疲れ

片岡選手からバトンを受け取り2回目の「お仕事」に出かけたのは20時半頃。この頃から気になるのが西日である。特にミュルサンヌからインディアナポリスにかけてはドライビングポジションの真正面に太陽がくるため、いくらマシンのウインドウ上部にサンバイザーを貼っても、ヘルメットのバイザーを下ろしても効果が無い。前で何かが起きていてもわからないし、非常に危険な状態だが、運良く曇り始めてきた。ただこれから夜を迎えるにあたり目を慣らすという意味でも、本当に暗くなるまでヘルメットのバイザーは下ろしたまま走行することにした。この時間帯のドライブは本当に楽しかった。気温も下がり始め、マシンのバランスもそれほど悪くないし、サルテサーキットを攻める楽しさを噛みしめながら運転できた。でもそれは2スティント目までの話。

そう、この時僕は初めて3スティント目に突入したのだが、立川選手や片岡選手同様3スティント目に入った瞬間一気に疲れが来た。今までの楽しさは何だったんだろうと思うくらい。2スティント目までは4スティントでも5スティントでも行けるんじゃないかと思っていた。今まで気にならなかったサインボードのラップ数の減り方が遅く感じてしょうがない。おそらく自分の気づかないうちに、マシンの振動からくる疲れやハイスピードサーキットということで集中力を普段以上に使っていたんだと思う。

無事走行を終えホスピに戻ってきた僕は本当にぐったりしていた。でもここで役に立つのがトレーナー。シャワーを浴びた後のストレッチとマッサージ。アミノ酸等を大量に摂取し、筋肉の張りを取るクリームや炎症を抑えるクリーム等、あらゆる手段を使って次の走行に備えた。走行後は食欲も無かったけど、少し仮眠を取ったら身体が楽になっていたし食欲も出てきたので、ケータリングのスタッフにお願いしてパワーになりやすいうどんやおにぎりを作ってもらった。こんな感じで皆次の順番が回ってくるまでの約4時間を過ごした。4時間と言っても早めにスタンバイしなければいけないので、実際は3時間もない感じかな。


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